今回はタスク管理用語「こうもり問題」について説明します!
こうもり問題とは
「こうもり問題」とは、情報を整理する段階において「どの分類項目に入れてよいか分からない項目が出てきてしまう問題」のことを指します。
野口悠紀雄 著『「超」整理法』で言及された従来の整理に関する問題の一つです。
こうもり問題が起こる状況
タスクに限らずあらゆる情報は、用途や視点の違いによって複数の属性を持っています。
従来のようなフォルダなどの階層構造では1対1対応の分類になるため、その項目が持つ属性のうち一つだけに着目して分類を行う必要があります。
その場合、こうもりは獣と鳥の両方の性質を持っているため、どちらに分類していいか困難になります。
あるいは、どちらに分類したか見つけることが困難になり、探す際に手間が掛かるようになります。
これが、こうもり問題です。
『「超」整理法』では、こうもり問題は以下のような状況で発生するとされています。
①複数属性
こうもりのように、対象となる情報が複数の内容や属性をもっている場合です。
業務の多角化、ハイブリッド化、クロスオーバー現象などに伴って増えている状況とされています。
②境界領域
どちらに分類して良いか曖昧なグレーゾーンが存在する場合です。
学際問題、業際問題など、境界領域問題の増加に伴って増えていく状況とされています。
③タテヨコ分類
交差する2つの分類軸(タテとヨコ)が入り混じる場合です。
こうもり問題とタスク管理
タスク管理は、タスクという情報の整理術であるため、同様の問題が発生する場合があります。
タスクをカテゴリやプロジェクトで分類した場合
階層構造を取るため、複数のプロジェクトに関連するタスクがどちらのプロジェクトに該当するか、明確でない場合があります。
タスクをコンテキストに分類した場合
コンテキスト(タスクの実行できる状況)は、場所や時間、手段など様々な軸で情報を付加することができるため、一意的に分類先を決めることが難しい場合があります。
こうもり問題の解決
タスク管理において、こうもり問題を解決するための方法がいくつか報告されています。
ラベルで管理する
フォルダのような階層構造ではなく、ラベル(タグ)のようなタスクに複数付けられる情報を用いて分類する方法が有効な場合があります。
時系列で管理する
『「超」整理法』では、ワンポケットで時系列に管理していく手法を推奨しています。
タスクに関しても、迷ったら時系列で並べることで、整理が簡易になる場合があります。
MECEとなる分類項目を試行錯誤する
タスクを分類するプロジェクトやカテゴリ、コンテキストについては「自分の仕事や生活スタイルに、しっくり来る分類項目かどうか」が鍵になります。
試行錯誤を繰り返しながら、漏れなく被りのない分類項目を見つけることも解決策の一つとなります。