今回はタスク管理用語「インボックス・ゼロ」について説明します!
インボックス・ゼロとは
「インボックス・ゼロ(Inbox-Zero)」とは「インボックス(メール等の受信箱)」を「ゼロ」にするためのテクニックのことです。
インボックス(受信箱)のメール等を、一つ一つルールに則って処理し、基本的にインボックス(受信箱)には何も無い状態を維持していくことを目指していきます。
「43 Folders」の管理人Merlin Mann氏が2006年に提唱しました[1]。
基本的にはメールの処理方法を指しますが、広義ではGTDなどの「インボックス」を活用した整理術を広くこう呼ぶ場合もあります。
ベースとなる考え方
- 受信箱のなかで仕事をしない
- 自動で処理できるものは可能な限り自動で
- 情報は分流して処理する
基本のフロー
1. 削除(アーカイブ)
受信箱のメールに対して「これは削除してよいか?」と質問し、YESであれば削除する。
2. デレゲーション
「このメールはデレゲーションして終わりにできるか?」と質問し、YESであれば誰かに依頼する(連絡待ちフォルダ等に入れる)。
3. 返信
「このメールは返信の必要があって、すぐに数行で返信可能か?」と質問し、YESであればすぐに返信する。
4. スヌーズ
「返信をするのに多少時間がかかる、あるいはいますぐ対応できない」メールについては、スヌーズという対応をとる。
対応できるときまで受信箱から消しておき、必要な時に再度現れるようにする。
5. 実行
「必要なアクションがある」メールについては、書かれている依賴を実行したり、スケジュールを確保するといったアクションを行う。
または、アクションリストに入れる。
「メールはピーナッツの殻のようなもの」
インボックス・ゼロの手法を取る場合、メールは「ピーナッツの殻」に例えられます。
ピーナッツを食べるときに大事なのは、中身です。それと同じで、メール自体は殻にすぎず、本文に要件やスケジュールと言った「中身」が入っているという具合に考えます。
受信箱にあるメールの一つ一つについて、タスクやスケジュールをとりだし、アクションをすべてとりだしたならば、そのメールはもう残りの殻に過ぎません。
いつまでも殻をおいていてもしかたがないのと同じで、そのように一度判断をおこなったメールについてはすみやかに削除するか、アーカイブしてしまうことが重要なのです[1]。
インボックス・ゼロとタスク管理
インボックス・ゼロのメール処理を運用するためには、情報やアクションの保存先が必要になります。
そのため、カレンダーやタスク管理システムを構築しておくと、スムーズな運用が可能になります。
また、GTDに代表されるタスク管理の手法では、インボックス(受信箱)に気になることを集め、その後に整理するといった流れを取ります。
「インボックス・ゼロ」の手法自体が、タスク管理システムの運用手法の肝になる場合も多くあります。
重要でないメールやタスクも一つ一つ処理していく「過剰なインボックス・ゼロ方式」は、しばしば批判されることがあります[2]。
経験上、最初の頃は1つ1つ取り出しながら分類することになりますが、慣れてくればインボックスを経由せずに整理されることになったり、忙しくなると毎日ゼロにすることを続けることが困難になることもあります。
しかし、改めてメールやタスク、情報を整理したい場合には、インボックス・ゼロ方式が有効に働く場合も多くあります。
参考リンク
[1] Gmailで実践する「インボックス・ゼロ」
[2] 「Inboxゼロ」方式が時間管理術として好ましくない理由 | ライフハッカー[日本版]