今回はタスク管理用語「ツァイガルニク効果」について説明します!
ツァイガルニク効果とは
「ツァイガルニク効果(Zeigarnik Effect)」とは、心理学用語の一つです。
「達成できなかった事柄や中断している事柄の方が、達成できた事柄よりもよく覚えている」という現象を指します。
心理学者のブルーマ・ツァイガルニクが、「目標が達成されない未完了課題」と「目標が達成された完了課題」を比較した際に、前者の記憶の方がより想起されやすいことを示した研究によります。
ツァイガルニクは,人が欲求によって目標指向的行動をする場合には緊張が生じ持続するが,目標が達成されると緊張は解消するというレヴィンの考え方に基づいて,目標が達成されない未完了課題の再生(RU)の方が完了課題の再生(RC)よりもよいことを示した。
これをツァイガルニク効果,RU/RCをツァイガルニク指数という。
この効果は時間の経過,疲労,感情的興奮,自我脅威場面,競争場面での評価などの影響を受ける。─ 心理学辞典
ツァイガルニク効果とタスク管理
タスク管理においても、ツァイガルニク効果はしばしば話題に挙がります。
一つは、TODOリストの批判としての文脈です。
TODOリストを作成しても「未完了であること」が強く意識に残ることで、TODOリストを作った後の方が、よりストレス過多になることがあります。
この立場では、TODOリストを作成するよりもスケジュールにいれた方が、よりストレスが減っていくとされます。
タスクはToDoリストではなくスケジュール表に入れる。なんと、たったこれだけのことで心が解き放たれ、ストレスが減り、認知能力が高まる。
フロリダ州立大学の研究によれば、ツァイガルニク効果(未完了のタスクによって意識的・無意識的に悩まされる現象)は、タスクを達成するための予定を立てるだけで克服できるという。
実際にタスクそのものを終わらせる必要はないのだ。-1440分の使い方
一方で、TODOリストを作ることの利点としても、ツァイガルニク効果が挙げられることがあります。
GTD®では、頭の中で抱えていた未完了のタスクを、リストに書き出し、見極め、適切な場所に振り分けることを行います。
これにより、頭の中のモヤモヤが解消される場合があります。
ザイガルニック効果によって、あなたの頭には次々と違う仕事が浮かぶ。(中略)
しかしその計画を決めてしまえば(たとえばメモを水曜分のフォルダに入れておくなど、次の行動をはっきり決めれば)、安心することができる。その仕事はすぐ終わらせる必要はない。-意志力の科学
どちらの主張に共通するのは、リストに書き出すだけでは不十分だという点です。
TODOリストであってもスケジュールであっても、自分が信頼できる計画として機能しなければ、ストレスが軽減されず、ツァイガルニク効果が起こるということになります。
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