今回はタスク管理用語「ルーチン」について説明します!
ルーチンとは
「ルーチン(Routine)」は、「繰り返し行われるタスク」のことを指す言葉です。
タスク管理ツール上では、タスクの繰り返し(複製)を「リピート」と呼ぶことがあります。
その場合、繰り返し設定をしたタスクのことを「リピートタスク(Repeat Task)」と呼びます。
繰り返す頻度を、文頭に付けて表現することもあります。
例えば、毎日であれば「日次ルーチン」、毎週であれば「週次ルーチン」、その他「月次ルーチン」「年次ルーチン」などと呼ばれます。
何か集中したい作業に入る前の、一連の決められた動作(儀式)のことを指す場合もあります。
その文脈では、「ルーティン」と呼ばれることが多いです。
また、スポーツ場面などで、パフォーマンスの前におこなう活動を「プレ・パフォーマンス・ルーティン(Pre-Performance Routines)」と呼びます。
日常的に繰り返しているタスクについては、単に「習慣(Habit)」とも呼ばれます。
タスクをルーチンに変える作業を「ルーチン化」もしくは単に「習慣化」と言います。
ルーチン化と習慣化
ルーチン化と習慣化は多少意味が異なります。
ルーチン化は「繰り返されるタスクの手順やタイミングを固定して、それらをリストやツール上に設定、整理することで、タスク実行の負担を下げること」を言います。
あくまで「リストを見ながら、繰り返しのタスクをストレスなく効率的に処理していく」ことを重視します。
一方、習慣化は「自分が統けたいと思っていることを、意思や根性に頼らず、無意識的に継続できるような状態に導くこと[参考]」を言います。
つまり、「(リストを見なくても)無意識に動けるようになる」ことを重視します。
ただし、ルーチン化と習慣化は互いに影響し合っています。
ルーチン化によって習慣化が為される場合もある一方で、習慣化によってルーチン化が更に効率的に機能する場合もあります。
ルーチン化されやすいタスク
ルーチンとは、繰り返し行う必要のあるタスクで、以下のような作業がルーチンにされやすい傾向にあります。
定常業務
会社で毎日(毎週、毎月)行う必要のある業務などです。
生活行動
日常生活を送る上で必要のある行動です。
これら以外にも、仕事や生活場面における殆どのタスクが繰り返しの作業であり、大抵のタスクはルーチン化できるとされます。
ルーチン化の3つの効用
タスクをルーチン化する目的や効用としては、以下のようなものがあります。
考える負担の軽減
ルーチン化によって、タスクの作業手順や実行するタイミングを固定することで、作業の度にその都度考える負担を軽減することができます。
また、作業を行う際に意思決定が必要なくなるため、意志力の消耗を軽減できます。
いわゆる「決定疲れ」の防止になります。
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やり忘れの減少
タスクの手順を細かく細分化し、実行するタイミングを固定することで、抜け漏れを防ぐ効果があります。
作業の効率化
ルーチン化によって、定期的に繰り返し作業を行える環境が整うので、作業自体が着実に前に進むようになります。
また、実行する頻度やタイミングを固定化し、前倒しで実行できるようになるので、メンテナンスや故障、欠品などの手間を減らす効果があります。
ルーチン化の方法
タスクをルーチン化するには、一般的に以下のような方法があります。
リスト(システム)に可視化する
基本的にルーチンは、タスクや作業手順などをリストなどに書き出し、可視化することから始まります。
運用時は、可視化したリストを元にタスクを進めることになります。
手順や必要項目を明確化する
ルーチンは、以下のような要素を明確にしていきます。
作業手順
タスクを進めるための手順を書き出します。
繰り返す頻度
タスクを実行する頻度を決定します。
実行するタイミング
タスクを実行する日時や時間帯を決定します。
所要時間
タスクを完了するまでに掛かる所要時間を決めておきます。
記録と振り返り
実行したタスクを記録(タイムトラッキング)することで、分析を通してルーチン化がしやすくなります。
また、ルーチン化する前に、実行したタスクの記録を残すことで、後でルーチン化させることが容易になります。
手順の記録
実際に行った手順を記録することで、最も最適な手順を分析・作成することができます。
所要時間の記録
実際の所要時間の平均を出すことで、実行するタイミングが決めやすくなります。
頻度の記録
タスクを実行した頻度を記録することで、適切な実行頻度を割り出すことができます。
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プロセス型とボックス型
ルーチンには、プロセス型とボックス型があります。
プロセス型
通常繰り返されるルーチンのことです。
実行する際は、毎回同様の手順に沿って行なわれます。
ボックス型
繰り返し行なわれることは共通ですが、行うタスクの内容が異なるルーチンです。
作業内容や手順は毎回異なり、「タスクの入れ物」として機能します。
また、プロセス型とボックス型の折衷的なルーチンもあります。
例えば、買い物に行くまでの手順は常に同じ(プロセス型)ですが、買い物する物や行く先は異なる(ボックス型)といった形式です。
多くは、ルーチンの最初と最後(準備と片付け)をプロセス型、ルーチンの内容がボックス型となっているケースが多いです。
ツール上におけるルーチン
タスク管理ツールでは、リピートの設定をすることでルーチンを管理する形式が多いです。
その際「頻度」の設定には、ツールによって幾つかの種類があります。
- 「実行後、◯日後にリピート」形式
- 「追加した日から、◯日後ずつリピート」形式
ルーチンとチェックリスト
ルーチンと同様の概念にチェックリストがあり、同様の目的で使われます。
チェックリストは「リストに可視化した」「手順や必要項目を明確化したもの」という点は共通しています。
ただし、「頻度」や「実行する時間帯」などは設定されないことが多いです。
実行タイミングは固定せず、「この行動をする際は、このチェックリストの順に行う」という使い方をされます。
ルーチンとチェックリストは、入れ子形式に使われることがあります。
ルーチンで「頻度やタイミング」を指定しておき、チェックリストで「手順や必要な項目」を確認するという方法です。
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参考書籍