今回はタスク管理用語「課題の分離」について説明します!
課題の分離とは
「課題の分離(Separation of Tasks)」とは、アドラー心理学の中心となる理論の一つで「自分と他者の課題を分離して考える」ことです。
以下のようなことも意味に含まれています。
- 自分は、他者の課題には踏み込まないようにすること
- 他者は、自分の課題に踏み込ませないようにすること
課題の分離とアドラー心理学
アドラー心理学では「人の悩みは全て、対人関係の悩みである」としています。
そして、その対人関係の悩みは「自分の課題」と「他人の課題」の混同によって生じるとしています。
「自分の課題」とは、単純に言えば「自分自身でコントロールできる範囲のこと」をいいます。
例えば、「テストで良い点数を取って褒められたい」と考えた時、自分でコントロールできる範囲は「テストに向けた勉強」や「テストの時間にベストを尽くすこと」だけです。
この部分は「自分の課題」といえます。
「他人の課題」とは、逆に「自分自身でコントロールできない範囲のこと」を言います。
上記の例でいえば、「テストの解答をどう評価するか」や「良い点を取った自分を周囲はどう評価するか」は自分のコントロールの外にあります。
この部分は「他人の課題」と言えます。
われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。 他者の課題には踏み込まない。それだけです。およそあらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと——あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること——によって引き起こされます。ー嫌われる勇気
課題の分離とタスク管理
課題の分離は、タスク管理を行う上でも重要な考え方の一つになります。
例えば、課題の分離ができていないと、自分の責任でない範囲においても、手ても自分のタスクだと認識してしまい、タスクの量が膨大になる場合があります。
また、タスクを分解する際に、自分のできる範囲以上のことに視点を向けてしまう場合があります。
タスクを実行する状況においても、割り込みに過度に反応したり、些細なことに意識を取られ、重要なことへの集中が困難になる場合もあります。
「自分の課題」か「他人の課題」かを分けることは、「自分のタスク」か「他人のタスク」かを分けて考え、自分の抱えるべきタスクを見極める上で、重要な観点となります。
自分の課題と他人の課題の判断
自分の課題なのか、他人の課題なのかを見分ける方法は、シンプルです。
「その選択によってもたらされる結末を、最終的に引き受けるのは誰か?」を考えれば、自ずと見えてきます(参考:「嫌われる勇気」)。
仕事でいえば「結論を出すのは誰か」「責任を負うのは誰か」「役割を与えられているのは誰か」と考えると、どちらの課題か見分けることができます。