今回はタスク管理用語「if-then プランニング」について説明します!
if-then プランニングとは
「if-then プランニング(if-then Planning)」とは、「『XしたらYする』という形で計画する手法」のことを指します。
モチベーションと目標達成の分野の第一人者であるハイディ・グラントハルバーソン著『Nine Things Successful People Do Differently』で紹介された手法です。
if-then プランニングの実践
確実に実行したいことや、習慣化したいことなどに対して、「①(if)もしXだったら、②(then)Yをする(If X happens, then I will do Y.)」の形で計画していきます。
計画の例
- (if)もし、午前中に報告書を書き終えられなかったら、
- (then)午後最初の仕事は、その報告書を書き上げることにする。
- (if)もし、同僚とのおしゃべりで仕事がはかどらないなら、
- (then)おしゃべりタイムを5分と決めて、5分後には仕事に集中する。
- (if)もし、午後6時になったら、
- (then)会社のジムで汗を流す。
「どんな行動をするかを事前に具体的に決めておく」ことで、それが実行される確率が高まるとされています。
また、ただ決めるのではなく、「いつ」「何を」やるかをはっきりと決めておくことで、実行できる確率は2倍から3倍も高くなるとされます。
「もし(if)」としてよく活用される条件は、「いつ(When)」「どこで(Where)」「○○に失敗したら(Miss)」があります。
事前にするべきことをはっきりさせておくことで、意識しなくても行動すべきときに自動的に行動できるようになり、広く応用の効く手法になります。
目標意図と実行意図
if-then プランニングに近い概念として、心理学用語に「実行意図(implementation intention)」があります。
心理学者ピーター・ゴルヴィツァーによって、90年代半ばに研究されました[1]。
ある目標や目的に向けて人が行動を起こすときには「目標意図(goal intention)」と「実行意図(implementation intention)」の2つの意図が作用するとされています。
目標意図は「自分が成し遂げたいことを特定するもの」、実行意図は「目標を達成するための行動を、具体的にいつ、どこで、どのように行うか」を決めるものです。
目標の実現に最も効果が高いのは、目標意図に加えて、その目標の実現に向けた「実行意図」が明確であるときであるとされています。
この「実行意図」を意識的に決めるルールが、if-then プランニング と言えます。
参考文献・書籍
[1] Gollwitzer, P. M., “Implementation intentions: Strong effects of simple plans“, American Psychologist, 54(7), 493–503. (1999)
やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学