今回はタスク管理用語「学生症候群」について説明します!
学生症候群とは
「学生症候群(Student Syndrome)」とは「期限の直前まで、作業に着手しようとしなくなる傾向」のことを指します。
エリヤフ・ゴールドラット著「クリティカルチェーン」等に登場する概念です。
同書に登場する「期限を延ばしてもらったにも関わらず、結局いつまでも宿題を始めない学生」を指して説明したことに由来しています。
「学生症候群です」ブライアンが発言した。「セーフティーが必要だと大騒ぎする。そして、セーフティーをもらう。時間的に余裕ができる。でも時間的に余裕ができたからといって、すぐに作業を始めない。じゃ、いつになったら作業に取りかかるのか。結局、ぎりぎり最後になるまで始めないんです。それが人間というものです。人間だからしょうがないんです」─クリティカルチェーン
学生症候群とパーキンソンの法則
同書では、学生症候群は「期限までに時間的な余裕があると、つい他のことに手が出て、結局ぎりぎりになるまで作業に着手しない傾向」と説明されています。
時間には余裕があるものの、ぎりぎりになるまで着手しないため、結局、予定の期限には間に合わなくなる傾向です。
タスク管理においても、設定した期限に余裕がある場合でも、ギリギリまで着手しない(モチベーションが沸かない)ことは頻出する課題の一つとして挙げられます。
学生症候群は、パーキンソンの法則に関連して説明されることが多い概念です。
期限に余裕を設定しても、その余裕を使い果たすまで、作業に取り掛からない心理が働くとされます。
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クリティカルチェーンマネジメント
同書では、学生症候群を克服する手法として「クリティカルチェーンマネジメント」の手法を提唱しています。
クリティカルチェーンマネジメントの特徴として、
- 作業ごとの期限設定はしない:作業ごとに余裕を設けず、ぎりぎりの時間で見積もる
- 余裕時間は必要なところに集中する:全体の余裕「プロジェクト・バッファー」として最後に集中させる
という方法があり、学生症候群を解決できるとしています。
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