先延ばし【タスク管理キーワード辞典】

ひばちです。
今回はタスク管理用語「先延ばし」について説明します!

先延ばしとは

「先延ばし(Procrastination)」とは「自分にとって好ましくない結果を招くと知りながら(自分の首を絞めると承知の上で)、自発的にものごとを延期すること」です。

単に「ものごとを延期すること」とは区別されます[参考]

場合によっては「先送り」とも呼ばれます。

 

「先延ばし」はネガティブな文脈で用いられる言葉で、賢明な延期は先延ばしではないとされます。

  • 中止になるかも知れないプロジェクトの報告書の作成を延期する
  • 誰も来ていないであろう時間に、集合場所へ一番乗りしない
  • 緊急事態に対処するためにほかの用事をすべて後回しにする
  • 火事になった時に、予定通りの芝刈りをしない

これらは全て、基本的に先延ばしには該当しないとされています。

 

 

先延ばしの3つのタイプ

先延ばしには、3つのタイプがあるとされています[参考]

どうせ失敗すると決めつけるタイプ(要因 : 期待の欠如)

これまで何度挑戦してもことごとく失敗だったので、どうせまた失敗するだろうと、実際に試みる前に予想するようになるのだ。結果に対する期待が大きければ、自信と前向きな考え方を築く土台になる。一方、結果に対する期待が小さく、目標を達成不能と決めつけると、目標に向けて努力することをほとんどやめてしまう。

ポジティブ心理学の旗振り役である心理学者のマーティン・セリグマンが一九六〇年代におこなった研究によれば、自信や前向きな考え方の欠如と先延ぱしの間には関連性がある。(中略)経験を通じて、自分がなにをやっても無駄なのだと「学習」したのだ。これをセリグマンは「学習性無力感」と呼んだ。ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

 

課題が退屈でたまらないタイプ(要因 : 価値の欠如)

私たちは誰でも、不愉快な課題を後回しにしがちだ。裏を返せば、あなたがいま先送りにしている課題は、とりわけ嫌いなことである可能性が高い。課題に対して感じる楽しさのことを、研究者は「価値」と呼ぶ。価値を感じられない課題ほど、取りかかりづらい。友達とビールを一杯やりながら(あるいは、極上のスイーツを食べながら)長々とおしゃべりをするためにはいそいそ出かけるのに、ほとんどの人は納税書類の作成やガレージの掃除をつい後回しにしてしまう。学生たちがレポート作成を先延ばしにするのも、「レポート執筆が大嫌い」というのが最大の理由なのだ。ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

 

目の前の誘惑に勝てないタイプ(要因 : 時間の遅れ)

待たないと得られないご褒美より、すぐ手に入るご褒美をはるかに魅力的だと感じる。ひとことで言えば、あなたは衝動に負けやすい人間なのだ。(中略)私たちは概して長期の目標を抽象的に感じるので、その目標に向けた行動を先延ばしにしがちになる。時聞が過ぎて、それが目前の目標に変わり、具体的に感じられるようになって、ようやく取りかかる。ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

 

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先延ばしの公式

上述した先延ばしの3つのタイプでは、それぞれ「期待」「価値」「時間」の欠如が要因となっていました。

これらの要素に「衝動性」という個人の要因を含め、以下のような「先延ばしの公式」を立てることができるとされています。

 期待 × 価値
ーーーーーーー
 衝動性 × 遅れ

 

公式の意味することをまとめると、以下のようになります。

  • 期待:「ご褒美を得られる確実性」が小さければ、熱を入れて課題に取り組む確率も小さくなる。
  • 価値:「ご褒美の大きさ」が小さければ、熱を入れて課題に取り組む確率も小さくなる。
  • 遅れ:「ご褒美が手に入る時期」が遅いと、モチベーションは減退する。
  • 衝動性:ご褒美が手に入る時期の「遅れに対する忍耐心」が弱いと、モチベーションは減退する。

 

手に入るご褒美が大きく、それが実際に手に入る確率が高いほど、早い段階でその課題に意識が向くようになります。

また、締め切りが遠い先だと、時間の遅れが大きくなり、その課題に取り組もうというモチベーションが下がります。

 

なお、衝動性が強いと、時間の遅れに対する敏感が増幅するので、衝動性が強い人はとりわけ締め切りを切実に感じず、先延ばしの確率が高まるとされます[参考]

注意欠如多動症の方は、先延ばしの傾向が強いとされます。

 

先延ばしとタスク管理

タスク管理は「今できないことをリストに記入し、後で確実に実行する」技術ともいえるため、「先延ばしを管理する技術」ということもできます。

「先延ばし癖をどうにかしたい」という理由から、タスク管理手法を学ぶ方は非常に多いです。

 

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