今回はタスク管理用語「パレートの法則」について説明します!
パレートの法則とは
「パレートの法則(Pareto principle)」とは、1897年にイタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートが発見した法則のことを指します。
「80対20の法則」「不均衡の法則」とも呼ばれます。
投入と産出、原因と結果、努力と報酬の間には不均衡があり、不均衡の割合がおおよそ80対20になるという法則のことを言います[1]。
パレートの法則の例
- 仕事全体の内、20%の効率の良い業務が、収益全体の80%を生み出している
- 従業員の内、20%の優秀な人間が、会社の成果の80%を生み出している
- 全世界の人口の内、20%の富豪が、富の80%を所有している
パレートの法則に至る経緯
パレートは、イギリスにおける所得と資産が一部の人たちに集中していることに気が付き、以下のことを発見しました。
- 人口に占める割合と、所得・資産に占める割合に、一貫して数理的な関係があること
- 不均衡のパターンは、一貫して繰り返し現れること
その後、ハーバード大学の心理学教授ジョージ・K・ジップは、1949年に「最小努力の法則」を発見します。
それは、資源は労力が最小限ですむように自らを調整する傾向があり、その割合は「資源の20%~30%が、活動の70%~80%を担う」というものでした。
同時期に、アメリカ人技術者のジョセフ・モーゼス・ジュランは品質の改善を追求するにあたり、「ほんの一部の要因が全体に決定的な影響を与える」という法則を、著書「品質管理ハンドブック」の中で紹介しました。
パレートの法則は、全世界に広がりを見せることになります。
数字のブレと活用
パレートの法則は、実際には「80対20」ではなく「70対30」や「60対40」といった比率になることもあります。
しかし、50%の投入から、50%の結果が生まれることは滅多に無いことが分かっています。
扱う対象によって比率にブレはありますが、「世の中は不均衡で、それは予想ができ、本当に大事なことは数少ない」ということは共通しているとされます。
パレートの法則は、「全体の80%を生み出す、20%の優先すべき事柄は何だろう?」と考えることで、本当に注力しなければならない事柄を発見する手掛かりとして活用されます。
パレートの法則とタスク管理
タスク管理においても、パレートの法則は頻繁に活用されます。
以下に、その例を挙げてみます。
- 生産性の80%を占める、重要な20%のタスクに時間を費やす
- タスクのプロセスの内、成否の8割を決める、重要となる20%に目を向ける
- 目的の達成の8割につながる、今日の2割のタスクを考える
- 1日のうちの20%である4.8時間を、成果の80%を生み出す時間に充てる
- 1週間のうちの20%である33.6時間を、望んでいる80%を生み出す投資時間に充てる
- 問題の80%は、妨げとなっている2割の活動によって引き起こされている
- 負担の大きい20%のタスクに、80%の時間が使われていることから、余裕を持たせる
参考・引用
[1] 人生を変える80対20の法則 増補リニューアル版
フォーカルポイント
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