時間的非整合性【タスク管理キーワード辞典】

ひばちです。
今回はタスク管理用語「時間的非整合性」について説明します!




時間的非整合性とは

「時間的非整合性(Time Inconsistency)」とは「ある時点では最適であると思われた意思決定が、一定時間が経過した後で最適でなくなってしまうこと」を指します。

時間が経過することで価値観が変わり、行動との整合性がなくなることです。

 

「動学的不整合性(Dynamic Inconsistency)」とも呼ばれ、主に経済学や金融政策等で用いられる言葉です[1]

 

 

時間的非整合性とタスク管理

タスク管理において「時間的非整合性」は重要なトピックになります。

たとえば、「今週1週間はサラダを食べよう」と考え、スーパーでレタスを買い溜めしたとする。
しかしこんな場合は決まって、2週間後に冷蔵庫の底で腐ったぬるぬるのレタスを発見することになる。

また、こんな例も考えられる。
いつか絶対見ると思って、ネットフリックスのレンタル希望リストにドキュメンタリーやインディーズ映画を追加する。しかし、それがリストの一番上に来ることはない。結局いつもウィル・フェレルの映画を選ぶからだ。

私個人の例を挙げると、新しいトレーニング機材や豪華な体重計、健康食の料理本を購入し続けているが、まだ腹筋は割れていない。

「あとでやりたくなるはず」という思いとは裏腹に、人間には「現在バイアス」というものが存在する。そして実際にそのときになってみると(現在とは「そのとき」の連続だ)、お菓子やコメディードラマ、フェイスブック、猫の動画を選択してしまう。そのほうが楽で楽しいからだ。-1440分の使い方

 

普段タスクリストを作ったり、計画した時には「最適だ」と感じて計画したものの、実際に実行する場面になるとやる気がなくなったり、他のことに目移りしたりすることは自然と起こり得ることです。

これらを克服する方法として、時間的非整合性を前提としたタスクリスト・計画作成が必要となります。

 

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また「未来の自分は、今この瞬間の私たちを妨害しようとするだろう」と考え、未来の自分に対して環境作りなどの対策を立てることを「タイムトラベル」と呼びます[2]

 

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参考書籍・文献

[1] Kydland,F.E., and E.C. Prescott (1977) “Rules rather than discretion; the inconsistency of optimal plans” Journal of Political Economy vol.85, pp. 473-91.

[2] 1440分の使い方