マルチタスクではなく、シングルタスクで進めよう!【ゼロから始めるタスク管理】

こんにちは!ひばちです。

 

私たちは日々、多種多様なタスクを抱え、情報を浴び続け、やることに追われています。

  • 仕事のこと
  • プライベートのこと
  • 趣味のこと
  • 家族のこと
  • 近所づきあいのこと
  • 友人のこと
  • 将来の夢のこと

 

普通に生活しているだけでも、自然と「注意を向けなければいけないこと」が増え、色々な案件を平行して進めなければいけない状況になっています。

タスク管理を始めたい!と考える人の多くは、このような「マルチタスク状況」をどうにかしたい、というのが理由のようです。

 

確かに、タスク管理はこの「マルチタスク状況」を改善する上で、とても役に立つ技術です。

ただ、決してタスク管理は「マルチタスクを可能にする技術」という訳ではありません。

むしろ「一つの仕事に集中する環境を整える」ための技術です。

これを「マルチタスク」という言葉に対してシングルタスクと呼びます。

 

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マルチタスクとシングルタスクについては、下記の書籍で非常に詳しく書かれています。

 

この記事では、「SINGLE TASK」を引用しながら、マルチタスクとシングルタスクについてお伝えします。

 

マルチタスクの幻想

マルチタスクなどというものはそもそも存在しない

 

これは、先ほど紹介した「SINGLE TASK 一点集中術」の冒頭に書かれた一節です。

 

そもそも、マルチタスクとは一体どういう意味なのでしょうか。

辞書を引いてみると、以下のような意味が出てきます。

 

マルチタスク:1台のコンピューターで複数の作業を同時に処理するオペレーティングシステムの機能

 

そう、元々はコンピューターの用語なのです。

「複数の」「作業を」「同時に」「処理する」

これがマルチタスクの定義です。

 

一方で、コンピューターではなく人間の脳が、マルチタスクを行えるかどうか考えてみます。

そもそも人間の脳は 、一度に複数のことに注意を向けることができないのだ。
マルチタスクは情報の流れを遮断し、短期記憶へと分断する。そして短期記憶に取り込まれなかったデータは、長期記憶として保存されずに、記憶から抜け落ちていく。
だから、マルチタスクを試みると能率が落ちるのだ。

 

普段生活している中で、あることに集中していると、別のあることを見落としたりした経験はないでしょうか?

  • 考え事をしていたら、電車の乗り継ぎ駅を通り過ぎた
  • 別の用事を頼まれたことで、最初に頼まれた用事を忘れた
  • スポーツに集中したら、他のことが目に入らなくなった

 

これらの例は、どんな人でも誰でも一度や二度ではなく経験していることです。

 

人間の脳は、元々一度に複数のことに注意を向けることができません。

記憶力や要領の良さではなく、それは人間の一つの機能なのです。

 

コンピューターであれば、複数の仕事を高速で正確に進めることができるでしょう。

しかし、人間にはそれはできません。

まず抑えておきたいことの一つはマルチタスクはそもそも人間にはできないということです。

 

マルチタスクではなく「タスクスイッチング」

人間の脳は、そもそもマルチタスクの処理をすることができないと説明しました。

 

では、普段「マルチタスク」だと感じる状況は、どういう処理をしているのでしょうか。

脳は注意を要するタスクに対処しながら、同時に流れ込んでくる情報を処理することはできない。
スタンフォード大学の神経科学者エヤル・オフィル博士は「人間はじつのところマルチタスクなどしていない。
タスク・スイッチング(タスクの切り替え)をしているだけだ。
タスクからタスクへとすばやく切り替えているだけである」と、説明している。

 

そう、私たちは、マルチタスクをしていると思い込んでいるにすぎず、タスクを一つ一つ切り替えているだけなのです。

 

Aの仕事、Bの仕事、Cの仕事、家族のこと、趣味のこと、スマホに届くメッセージ….

これらの注意を引く物は、同時に並列に処理している訳ではななく、一つ一つの注意を切り替えて処理しているのです。

 

ですので、マルチタスクではなく「タスクスイッチング(タスクの切り替え)」なのです。

 

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脳の同じ部位を使わない場合は例外となる

ミシガン大学のデヴィッド・マイヤー博士は、次のように明言している。
「たいがい、脳は複雑な2つのタスクを同時に処理することができない。ただ、その2つのタスクが脳の同じ部位を使わない場合は例外となる」

 

基本的に私たちは、マルチタスクをすることが不可能です。

そして、マルチタスクだと思っていることは、タスクスイッチングに過ぎません。

 

しかし、例えば「自転車に乗りながら歌を口ずさむ」「ニュースを聞きながらパソコンの打ち込みをする」「夕食を作りながら子供と話をする」等、複数のことを同時に処理出来ている状況というのが存在します。

 

実は、脳の同じ部位を使わない作業の場合には、例外的に同時に処理をすることができるのです。

意識的な努力を必要としない活動は、メインの作業と同時におこなうことができる。
こうしたシンプルな作業には「簡単で機械的におこなえるもの」「集中力を要さないもの」が含まれる。

 

ただし、複雑な複数のタスクに対して、同時に注意を向けることは依然としてできません。

あくまで、集中力を要さない作業という条件付きの例外なのです。

 

シングルタスク状況を作る

整理すると、こういうことになります。

  • 私たちの脳は、そもそもマルチタスクができない
  • マルチタスクだと思っているものは、タスクスイッチング(タスクの切り替え)
  • 例外はあっても、複雑なタスクは同時に注意を向けられない

 

つまり、最も効率的なのは「ひとつひとつ」「切り替えの頻度をできるだけ少なく」といった「シングルタスク」の状態です。

 

注意を引く対象を頭の中から追い出し、目の前のことに、ひとつひとつ集中する。

その状態が、現実的には最も優れた状態なのです。

 

それでは、シングルタスク状態はどう作っていけばいいのでしょうか。

 

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シングルタスクを実現するための工夫

シングルタスク状態を実現させるためには、自らを律するというよりは、環境の力に頼る必要があります。

SINGLE TASK」では、幾つかの方法が掲載されています。

 

自分専用のパーキングロット

パーキングロットとは、直訳すると「駐車場」を意味する言葉ですが、会議や開発の現場で使われる用語でもあります。

今すぐに対応したり話し合ったりすべきでない事柄を、一度メインの場所から遠ざけて置いておく、その為のスペース(ホワイトボードやメモ紙など)のことをいいます。

 

シングルタスクを実現させるには、一つのことに取り掛かっている間に、別のことに注意を向けないよう工夫する必要があります。

そのためには、作業を開始する前に、自分専用のパーキングロットを用意しておきます。

 

何か注意を引くものを思い出したり、仕事を頼まれたりしたら、一旦そのパーキングロットに書き込んでおきます。

そうすることで、タスクスイッチングの負荷を下げながら、目の前の仕事に注力することができるのです。

 

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今日の予定を立ててから始める

たとえば、毎朝、仕事を始める前にほんの3〜5分でかまわないから、今日しなければならない仕事の予定を立てよう。

 

1日の予定を立ててから、その日をスタートさせることも、シングルタスクを実現させる上で重要なことです。

その日にやらなければならないことを、朝数分を使って、幾つか決めてからスタートしてみましょう。

 

綿密に1日をデザインする必要はありません。

「今日処理したいこと」をあらかじめ決めてから1日を始めることは、そうしない1日と比べると、各段の満足感の差があります。

 

どんな時間の使い方をしたかメモに残す

さまざまな用事に時間をとられつつどうにか1日をすごすなかで、自分がそのときどきに最優先事項として取り組んだ作業を書きだそう。

 

どんなにシングルタスクの状況の重要性を理解したとしても、現実的には、色々なタスクが横入りし、注意を奪われ、タスクスイッチングが発生していきます。

 

それは仕方のないことです。

なので、無理にコントロールしようとせず、まずは事実を把握するに努めます。

 

実際にどんな1日を過ごしたのか、これも綿密過ぎない程度に、取り組んだ作業を書きだしてみます。

 

そうした記録が蓄積すると、少しずつ自分の傾向が見えてきます。

その蓄積があれば、どうすればシングルタスク状態を作れるのか分析することができます。

 

 

まとめて片付ける

こうした用事を「類似タスク」ごとにグループ分けし、1日の同じ時間帯にまとめて片づける予定を組もう。

 

前述の記録を蓄積していくと、必ず一定の傾向が見えてきます。

どんなタスクが横入りしやすいのか、どの時間帯が注意を奪われやすいのか、逆にどんな時間帯であれば一つのことに集中しやすいのか。

それらの傾向を記録から見出していきます。

 

似たようなタスクは、グループにして、適する時間帯にまとめて片付けるのも良いでしょう。

重要なのは、記録を残していくことと、その記録を振り返り、更に予定を組むことなのです。

 

まとめ~シングルタスク以上の効率的な仕事のやり方はない~

ここまで、「SINGLE TASK」を引用しながら、シングルタスクの重要性について書いてきました。

 

タスク管理の目的は「色々な仕事を複数平行して進めること」ではなく、「一つの仕事に集中する環境を整えること」にあります。

そのために、降りかかるタスクや注意を引くものを管理し、頭の中から追い出し、必要なものだけを取り出せるようにするのです。

 

繰り返しお伝えしているように、「シングルタスク」以上の効率的な仕事のやり方はありません。

タスク管理が与えてくれるのは、あくまで「シングルタスクで行える環境づくり」です。

 

シングルタスク状態で行った時のパフォーマンスが、現時点での自分自身の最大パフォーマンスです。

その中で、どこまでパフォーマンスを発揮できるかは、また別の問題になってきます。

 

効率的に仕事をこなす裏ワザというのは実はなく、「シングルタスクで仕事を進めるにはどうすれば良いか」を考え、環境を整えることが、タスク管理の本質なのです。

 

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