タスクを整理する際に重要なのは「ツールの選定」です。
しかし、タスク管理に活用できるツールは、世の中に多種多様に存在します。
解説動画
YouTubeチャンネルにて、チームタスクペディアの小鳥遊が動画でも解説しています。
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ツールの種類
デジタル or アナログ
まず、一つ目の基準は「デジタル」か「アナログ」かです。
「デジタル」は、PCやスマホを介して利用するものです。
一方、「アナログ」とは、手帳やノートなどのことを指します。
最近では、デジタルでも手書きの手帳のようなアプリがあったり、アナログでもスキャンを介してデジタル情報に格納できたり、垣根が少しずつなくなってきています。
デジタルとアナログには、下の表のように互いに利点と欠点があります。
デジタル | アナログ | |
---|---|---|
自由度 | △ | ○ |
確認のしやすさ | △ | ○ |
リマインダー | ○ | × |
検索 | ○ | × |
計算やコピペ | ○ | × |
修正 | 残らない | 残る |
入力 | キー入力 | 手書き |
バックアップ | ○ | × |
記録 | ○ | △ |
忘れ物防止 | ○(クラウドで確認) | ×(確認できない) |
デザイン | 制限あり | 自由 |
また、デジタルツールにおいては、「クラウド」か「ローカル」かという選択肢も最近では重要になっています。
便利なのはクラウド対応のツールですが、セキュリティの関係上、ネットワークに依存しないローカルのツールも仕事においては一定の評価を得ています。
アナログツールは基本的にローカルのツールと言えるため、その意味では利点となります。
実際に運用する際に、重要になる項目は「手書き」か「キー入力」です。
タスク管理ツールは「頭の中のことをツールにどう預けるか」が鍵となりますので、「書き込みやすさ(入力しやすさ)」でどちらが慣れているかで判断していくことになります。
構造化の度合い
次の基準は「構造化の度合い」です。
「自由度の高さ」とも読み替えることができます。
構造化の度合いが高いツールは、「タスクの入力フォーム」「タスクの並び方」「付加できる情報」などが予め仕様で決められているツールのことです。
タスク管理を専用としているツールでは、構造化の度合いが高いツールが多いです。
構造がしっかり決まっているので、検索や抽出などがしやすい利点があります。
また、ツールの構成がある程度、タスク管理の流れを補足してくれるため、初心者にとっては使いやすい面もあります。
反面、構造化の度合いが高いということは、その分自由度が低くなります。
ツールの仕様に合わせる必要があるため、自由度を求めている方には不向きです。
逆に、構造化の度合いが低いツールは、ある程度自由に入力することができます。
Excelやアウトライン・プロセッサなど、タスク管理専用ではないツールを流用する場合には、構造化の度合いは比較的低くなります。
自由に描けるアナログのノートは、最も構造化の度合いが低い(自由度が高い)と言えます。
構造化の度合いは、機能の複雑さとも綿密に関連があります。
構造化の度合いが高すぎるツールは、機能を覚えるだけでも大変です。
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オールイン or 組み合わせ
実際にタスク管理を実践していくと、1つのツールでは必要な機能が間に合わず、組み合わせて使う場合も多くあります。
組み合わせの利点は、必要な機能を好きなだけ取り入れることができる点です。
しかし、ツールの量が多くなってくると、その分ツール自体の把握が難しくなっていきます。
オールイン(1ツール)で運用する利点は、ツールの把握という混乱が起こりづらいことです。
しかし、やはり「餅は餅屋」で、専用のツールに任せた方が利便性が高い場合もあります。
タスク管理ツールの構成
タスク管理と一言にいっても、単にToDoリストを作るだけではありません。
自分の「やるべきこと」をシステムに預け、それを適切な形で整理し、必要な時に確認できるようにしていく必要があります。
- オープンリスト
- クローズリスト
- スケジュール管理
- ルーチン管理
- リファレンス管理
「オープンリスト」は、タスク管理の中でも「抱えているタスク全体を把握する」ためのリストです。
「クローズリスト」は、「処理すべきタスクに集中する」ためのリストです。
タスク管理は、オープンリストとクローズリストの行ったり来たりによって成立します。
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また、日時の決まった「やること」である「スケジュール管理」も、タスク管理の補助として必要な要素です。
繰り返しのタスクである「ルーチン」も、場合によっては管理していく必要があります。
「リファレンス管理」は、行動に必要な資料であったり、チェックリストであったりを管理するための要素です。
最低限、この5つの要素がタスク管理には必要だと考えています。
タスク管理ツールの種類(デジタル)
GTD型
「GTD型」は、GTD®の理念に沿った形式のツールで、最もオーソドックスなタスク管理ツールです。その特徴として、
- プロジェクト軸の垂直(フォルダ型)の管理
- コンテキスト軸の水平(タグ型)の管理
の組み合わせによって管理していく構成になっています。
代表的なツールとして、Todoist,Toodledo,Remember the milk,OmniFocusなどがあります。
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タスクシュート型
「タスクシュート型」は、TaskChute®の理念に沿った形式のツールです。その特徴として、
- 予定と記録が1シートで管理される
- タスクの所要時間を見積ると終わりの時間が分かる
- 記録を元にルーチンを作成する
TaskChuteやその派生であるTasukuma,TaskChute Cloudなどがあります。
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メモ型
「メモ型」は、シンプルな構成を取る形式のツールです。
チェックリストを作成するだけのものや、タスク管理専用でないツールもこちらに該当します。
簡単なToDoリストや買い物リストなど、多くの機能を求めない場合にはこちらが適しています。
チェックリスト式の代表的なものとしては、Microsoft To Do、Google ToDoなどがあります。
また、Dynalistなどアウトライン・プロセッサ式、OneNoteやEvernoteなどノート式のツールを活用する場合も、こちらの分類になります。
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カンバン型
「カンバン型」は、カンバンシステムの思想を基にした形式のツールです。特徴としては、
- ボードとカードの形式を取る
- カードの移動を前提とする
といったものがあります。
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チーム型
「チーム型」は、チームで利用することを前提とした形式のツール群のことです。プロジェクト管理ツールとも呼ばれます。
働き方改革の意識が進み、多くの企業で導入、開発が相次いでいます。
- 基本はGTD型に近い(プロジェクト軸とコンテキスト軸)
- 担当の割り振り機能(チケット機能)がある
- リファレンス(資料)や、コミュニケーション(チャット、コメント)の機能が充実している
といった特徴があります。
基本的に高機能かつ精錬されたデザインのものが多く、個人で使う方も増えています。
ただし、有料のツールも多くあるのが現状です。
タスク管理ツールの種類(アナログ)
手帳
アナログツールで最もスタンダードなのは、既存の手帳を活用することです。
手帳は多くの種類がありますが、基本的な構成は「スケジュール+タスク」という形式です。
バレットジャーナル
既存の手帳を使う以外の方法として「バレットジャーナル」があります。
バレットジャーナルは、1冊のノートに幾つかのモジュールを組み合わせて、オリジナルのノートを作って行く手法です。
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タスクダイアリー型
更にシンプルなアナログツールとしては「タスクダイアリー型」があります。
1日1ページを基本として、日付とタスクを記入していく方法です。
具体的には、マニャーナの法則で活用法が紹介されています。
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ツールを活用する手順
タスク管理ツールを活用する上で、注意しなければならない点があります。
それは「ツールは収納である」ということ。
タスク管理ツールは、物の整理でいえば「収納」に該当します。
ツール上で整理するというより、「整理されたものをツール上に収納する」意味合いが大きいものです。
なので「ツールに直接タスクを入れない」という前提があります。
収納にどんどん物を入れていくと破綻していくように、タスク管理ツールに整理されていないタスクを直接入れることはオススメしません。
① タスクの整理
まずは「タスクを整理する」ことから始めましょう。
紙を1枚取り出して、頭の中の「整理したいタスク」を書き出していきます。
タスクを書き出していく方法としては、以下のようなものがあります。
マインドスイープ・ブレインダンプ
GTD®では、頭の中にある気になるものを書き出す作業を「マインドスイープ」と呼んでいます。
ひばちです。 今回はタスク管理用語「マインドスイープ」について説明します! [afTag id=3846] マインドスイープとは 「マインドスイープ(Mind Sweep)」とは、「頭の中にある『気になること』を[…]
また「頭の中にあるものを、どさっと下すこと」を「ブレインダンプ」とも言います。
マインドマップ
トニーブザン(Tony Buzan)の考案した「マインドマップ」を活用するのも、頭の中を整理する上では有効です。
カードや付箋を使う
また、1枚の紙ではなく、カードや付箋を使うこともできます。
移動やグループ化が容易になります。
② 構造を構想する
次に行いたいのは「構造の構想」です。
書き出したものについて、ツールでどんな動きをさせたいのかシミュレーションしてみましょう。
気を付けたいのは以下の点です。
インプット(預ける)
タスクを「どうツールに入れるか」という、タスクを預ける入口についてシミュレーションします。
オーガナイズ(整理する)
預けたタスクを「ツールの中でどう扱っていくか」をシミュレーションします。
アウトプット(受け取る)
「ツールからどうタスクを受け取り、実行していくか」をシミュレーションします。
レビュー(見直し)
「ツールをどう機能させ続けるか、どのタイミングでどういう見直しを行うか」をシミュレーションします。
ひばちです。 今回はタスク管理用語「レビュー」について説明します! [afTag id=3846] レビューとは 「レビュー(Review)」とは、「(タスク管理などの)システムを維持するために必要な、入力や整理[…]
これらの視点を踏まえて、「仕組みのラフを書く(システムライティング)」方法も、有効な手段です。
前述した代表的なツールの構造である「GTD型」「タスクシュート型」「カンバン型」については、ワークシートを用意しましたので、シミュレーションに活用下さい。
③ ツールを選択する
ある程度シミュレーションができたら、実際にツールを選択していきます。
前述した通り、世には多種多様なツールが存在します。
自分のニーズに合ったツールは中々見つけることが難しいかも知れません。
あまり完璧を求めずに、「最低限この機能は欲しい!」というニーズを絞り込んだ上で、選定していくのが良いと思います。
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まとめ
この記事では、タスクを整理する際に重要な「ツールの選定」について解説してきました。
要点を押さえて、自分のスタイルやニーズに合ったツールを見つけてみてください。
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